サブリース契約のメリット・デメリットとは？

サブリース契約とは

サブリース契約は、不動産オーナーが所有している物件を不動産会社がまるごと借り上げ、第三者へ貸す契約形態です。一括借上げとも呼ばれます。

不動産会社が賃貸経営を行うため、オーナーは入居者を探したり、家賃を回収したり、物件を管理したりする必要がありません。空室の有無を問わず、不動産会社から毎月決まった額の家賃保証を受け取れます。

その代わり、家賃保証の金額は実際に入居者からもらえる家賃よりも少なく設定されるのが特徴です。

サブリース契約のメリット

管理事務をすべて任せられる

入居者募集から契約手続き、家賃集金、トラブル対応、退去時の清掃や手続きまで、賃貸経営にまつわる全ての管理業務を不動産会社が行うのが特徴です。そのため、賃貸経営の知識が少ない方や忙しくて管理業務に割く時間がなかなか取れない方でも活用しやすいメリットがあります。

空室・滞納リスクを回避できる

オーナー自身が物件を管理する場合、入居者がいない部屋の家賃収入はゼロ。入居者が家賃を滞納した場合も、その月の家賃収入はゼロになります。その点、サブリース契約では空室数にかかわらず、毎月一定額の家賃保証を得られるのがメリットです。

広告料・原状回復費の負担軽減

サブリース契約の場合、物件を管理して空室を埋める責任は不動産会社にあります。そのため、新しい入居者を見つける際の広告費や、退去後に部屋を清掃・修繕して次の入居者に引き渡すための原状回復費用は、不動産会社が負担するケースが多いのです。

相続税対策になる

相続が発生したとき、相続税は保有している財産に基づいて計算されます。不動産は、現金などの資産に比べて評価額が低く見積もられることが多いです。

特に、サブリース契約物件は「貸家建付地」という扱いになり、第三者に貸している割合に応じてさらに評価額が減ります。そのため、課税対象額が下がり、結果として相続税の負担を減らせる可能性が高いのです。

サブリース契約の
デメリット

収益性が下がる

サブリース契約は、管理の手間を省ける分、不動産会社に手数料を支払う必要があるため、収益性が下がります。家賃と家賃保証の差額が不動産会社に支払う手数料です。

例えば渋谷区にある家賃24万円の区分マンションを所有しているオーナーが、家賃保証80％の不動産会社とサブリース契約を結んだ場合、オーナーが得られる家賃収入は192,000円、不動産会社に支払う手数料は48,000円となります。

家賃を下げられる可能性がある

サブリース契約を結んだ場合、賃貸経営の判断決定権は原則不動産会社にあります。もし、入居者がなかなか集まらない場合、家賃の減額を請求されるでしょう。

減額を断ると不動産会社から一方的に解約を迫られるケースもあるため、減額を断れないオーナーが多い傾向。予想していた収入を下回り、キャッシュフローが回らなくなる可能性もあります。

免責期間の存在

契約開始時や入居者が退去した後の一定期間は、不動産会社からの家賃保証が適用されないことがあります。この期間中は収入が途絶えるため注意が必要です。

入居者を選べない

入居者を探すのは不動産会社の役割なので、オーナー自身が入居者を選ぶことはできません。そのため、オーナーが「住んでほしい」と考える人物像とは異なる入居者が集まる可能性があります。

サブリース対応会社の
選び方と契約時の注意点

サブリース契約に対応している会社には、不動産会社や建築会社、ハウスメーカー系列の会社などがあります。提示された情報が適正かどうか判断できるよう、事前に市場調査を行ったうえで、複数の会社を比較できるように準備しておきましょう。

また、トラブルにならないように必ず注意しておく点があります。家賃保証の条件、免責期間、賃料の見直しの時期や頻度、修繕費の負担が誰にあるのか、契約期間、解除要件、解除する場合の違約金などです。サブリース契約は特に解約に関するトラブルが多いため、契約前に内容をくまなくすり合わせておきましょう。

サブリース契約のメリット・デメリットまとめ

サブリース契約は、賃貸管理の手間を大幅に減らし、毎月一定額の家賃収入が得られる画期的な仕組みです。ただし、収益性が下がるリスクや入居者を選べないリスク、オーナー都合で解約できないリスクなどがあります。メリットとデメリットをよく理解したうえでサブリース契約を結ぶかどうか検討しましょう。

サブリース契約のほかに、オーナーと入居者が直接契約し、管理業務のみを外部委託する『管理委託』という方法もあります。管理委託はサブリースとは異なり、契約期間中でも解約が可能です。

当メディアでは、渋谷区で物件をお持ちのオーナーに向けて、目的別におすすめの賃貸管理会社を紹介しています。管理委託に対応している会社とサブリース契約に対応している会社、どちらも紹介しているので、参考にしてみてください。